関西現代俳句協会

第3回関西現代俳句大会

(豊田都峰会長挨拶)

 第3回関西現代俳句大会は2011年4月16日(土)、ラマダホテル大阪において、応募者332名、投句総数1536句の参加を得て、併催の理事会・総会・懇親会と共に盛大に催された。 昨年の第2回に引き続き来賓として東京から現代俳句協会・安西篤幹事長を迎え、宇多喜代子顧問を始め総勢89名の会員他が集い盛会であった。今大会の投句数は昨年を更に上回り、1500の大台を超えることが出来た。

 理事会、総会についてはこちらをご覧下さい。

 俳句大会は桑田和子事務局次長の司会により始まり、まず、3月11日の東日本大震災で亡くなられた方に、会場の全員が黙祷を捧げた。そのあと、豊田都峰会長の挨拶、司会者による選者紹介に続き、司会者及び披講者の古藤みづ絵氏による入選句及び入選者の発表、豊田会長による表彰、各選者による講評が執り行われた。各賞は、まず最初に大会賞、秀逸賞、入選賞の発表、表彰、講評が、続いて今大会より新設された選者特選賞の発表、表彰、講評が行われた。

 栄えある大会賞を獲得されたのは柏原才子氏。以下、秀逸賞4名、入選賞11名の計16名に豊田会長より賞状と副賞が授与された。講評は豊田会長の総評に続き、和田悟朗顧問、吉田成子副会長、的場秀恭理事、谷口洋理事、小泉八重子副会長、吉本伊智朗副会長により各賞の講評があった。

 選者特選賞は安西幹事長始め19名の選者による特選各1名の計19名に豊田会長より賞状と副賞が授与された。上記各賞とダブル受賞された方が3名、2句がそれぞれ選者特選賞を獲得された方が1名おられた。表彰のあと、豊田会長、安西幹事長、吉本副会長、小泉副会長、室生幸太郎副会長、谷下一玄顧問、的場理事、岡崎淳子理事、鈴鹿均理事による講評があった。

 最後に、豊長みのる副会長の閉会の言葉により、大会は滞りなく成功裡に終了した。多数の皆様のご投句・ご参加・ご協力有り難うございました。

 各賞入賞作品と受賞者の一覧、並びに俳句大会、懇親会の模様については、以下をご覧下さい。

(豊田都峰会長よりの表彰)

(安西 篤 現代俳句協会幹事長よりの表彰)

(古藤みづ絵氏の披講) 

(安西 篤 現代俳句協会幹事長の講評) 

■第3回関西現代俳句大会・入賞作品および受賞者

(1)大会賞・秀逸賞・入選賞

大会賞 綿虫の漂ふと云ふ力かな  柏原 才子
秀逸賞 過去捨てにきて桜貝持ちかへる  鈴木 順子
秀逸賞 綿虫のゆるやかな距離影もたず  大西優九里
秀逸賞 父祖の田を守りて老いの鍬始め  橋二三子
秀逸賞 勝ちつづく疵をふやして喧嘩独楽  山アよしひろ
入選賞 紙風船つけば山河の音がする  村田あを衣
入選賞 ひそやかに黴広がれり人体図  小崎 愛子
入選賞 窯守へ鍋ごと届く根深汁  津野 洋子
入選賞 格子戸の奥の機音日脚伸ぶ  山田  和
入選賞 風の字の風のふりする良寛忌  三好つや子
入選賞 消しゴムで消した八月消えていない  田辺三耶子
入選賞 陽炎の入りきれない電子辞書  玉記久美子
入選賞 野水仙よりも小さき遊女墓  竹下 道子
入選賞 生きてゐる顔がうつすら薺粥  吉田 成子
入選賞 東京の空の退屈冬帽子  大道 玉貴
入選賞 半日はこの世にありし雪だるま  上森 敦代

(2)選者特選賞

豊田 都峰 特選 月読の山へ鳴き入る狐かな  津野 洋子
安西  篤 特選 すすき野に倒れし夫よ灰神楽  若森 京子
吉本伊智朗 特選 冬の海いま人形の立ち上がる  前田  勉
豊長みのる 特選 オリオンへわが白息の雲のごと  島 尚子
小泉八重子 特選 陽炎の入りきれない電子辞書  玉記久美子
室生幸太郎 特選 太陽光発電パネル初明り  辻本 孝子
吉田 成子 特選 一脚の椅子と向き合う阪神忌  平井 幸子
若森 京子 特選 海鼠噛み日和見主義となってゆく  蔵田ひろし
伊丹三樹彦 特選 兵役なき国のピアスとポインセチア  田口美喜江
和田 悟朗 特選 昭和の世今も身のうち去年今年  矢野 夏子
花谷 和子 特選 母を訪ふ日を朱に囲み初暦  竹内 久子
谷下 一玄 特選 聞えくる運動会と過ごしけり  合田マサル
三宅 睦子 特選 空蝉は風のたましいなりしかな  釜田きよ子
的場 秀恭 特選 勝ちつづく疵をふやして喧嘩独楽  山アよしひろ
谷口  洋 特選 台風やまず胃薬を買ひに行く  清島 久門
桂  鴻志 特選 雛の間に掛かる煤けし弓矢かな  森 つる子
岡崎 淳子 特選 着ぶくれて風のことばを聞きに行く  小池万里子
鈴鹿  均 特選 綿虫のゆるやかな距離影もたず  大西優九里
三宅 岳童 特選 アフリカの地図を広げて三尺寝  清島 久門

■懇親会の模様

(結社紹介 京鹿子)

(懇親会の風景 その1)

(懇親会の風景 その2)