京都吟行会イベント記録（2006年4月9日）

『春の京都吟行俳句大会』

２００６年４月の記録（会報より）

　絶好の花日和に恵まれて「京都吟行大会」開催

２００６年度、関西現代俳句協会の吟行大会は、４月９日(日)、京都に於て挙行された。天候への懸念と、気まぐれな桜前線の北上が心配されたが、当日はまさに桜花爛漫。会場が、桜の名所である円山公園･八坂神社にほど近く、大層な人出で大会を盛り上げてくれた。今回の大会は、参加者が自由に市内を吟行、作句する方法を採ったため、投句作品はバラエティに富み、伝統ある京都ならではの力作が揃った。

　　　　　　記

　日時：２００６年４月９日(日)

　吟行：京都市内自由吟行

　会場：東山祇園町南側 大雲院･龍池会館

選者：和田悟朗、豊田都峰、吉本伊智朗、花谷和子、豊長みのる、谷下一玄、

赤尾恵以、小泉八重子の先生方

参加者数 ：１９１名

賞品： 選者特選賞（現代俳句歳時記、五冊セット各一組）、佳作賞（図書券）

会場の大雲院は、織田信長･信忠父子ゆかりの名刹で、豊田都峰会長、「京鹿

子」の佐藤眞隆氏の、ご紹介。運営にあたっては地元「京鹿子」の方々の絶大

なる、ご協力と、会員皆さま方の、ご助力極めて大であった。ここに厚く御礼

申し上げる。素晴らしい会場と花日和に包まれた吟行大会。反省材料は来年へ

の糧として役立てて行きたいと念じている。 (増田耿子)

選者特選句

和田悟朗 特選

　十戒の様花房のつめたさは　 　大阪市 辻本 冷湖

　桜見て人間を見て塔しずか　　 京都市 山村 道子

花谷和子 特選

　満開の花や重たきつけまつげ　城陽市 大西優九里

　花満ちて上京下京空ひとつ　　泉南市 天野 貞子

豊田都峰 特選

　同じ方みつむさくらのさくら色 　豊中市 花谷 和子

　花山河塔を真中に集ひゐる 　　京都市 村田冨美子

吉本伊智朗 特選

　朝桜幹より暗き男どち 　　　　　大津市 志村 宣子

　切株にのこる鋸くづ花疲れ 　　三田市 堺谷 真人

谷下一玄 特選

　八坂の塔日ありてさくら霞かな 堺市 藤本 厚子

　日をひとつほりあげてゐる花曇 京都市 豊田 都峰

豊長みのる 特選

　霾ぐもりして神鈴のにごり鳴る 豊中市 平田 繭子

　青雲に水の窮あるさくらかな   豊中市 藤井 瞳

赤尾恵以 特選

　洛中の花見絵巻に紛れこむ    西宮市 佐野 玲子

　どこからも八坂の塔や花満ちて 宝塚市 大津 茂子

小泉八重子 特選

　花楓あふれ露店の火こしらえ 川西市 辻本 孝子

　切株に残る鋸くづ花疲れ       三田市 堺谷 真人

以上