滋賀吟行会イベント記録(2004年6月19日)『琵琶湖クルーズ吟行俳句大会』2004年6月の吟行記録(会報より)台風も遠慮してくれました 2004年度、関西現代俳句協会吟行として、6月19日(土)、 南琵琶湖ミシガン・クルーズを実施。 さまざまの名所旧跡に囲まれた南琵琶湖。初夏の太陽をいっぱいに浴びながら、天智帝の御代から、延暦寺、信長、光秀、秀吉、さらに近代から現代へと発達して来た華やかな商業の歴史を湖側から探り出そうというのがこの企画である。実際、参加者はその通りの光景を実感されたことがその作品から想像できた。船の中で作った俳句を、下船時に集め、近江神宮勧学館で総括句会を開 催した。 記 日時:2004年6月19日(土) 吟行:浜大津から、外輪船ミシガンに乗船、南琵琶湖周遊 選者:山本千之、鈴木六林男、伊丹三樹彦、和田悟朗、吉本伊智朗、花谷和子、 豊田都峰、石田香枝子、立岩 利夫、加藤風信旗の諸先生の計10人 会場:近江神宮勧学館 参加人数:75名 賞品 優秀作品『現代俳句歳時記』 (改訂・学研文庫版)、 佳作賞「近江神宮の神酒」 といった内容で実施された。長い間吟行会が開催されなかったこともあり、賑 やかな吟行大会の中でも、参加者は真剣に句作に取り組まれていた。ミシガン 船中での懐かしいジャズ演奏、軽妙なショーの上演など、柔らか頭を取り戻すためのひとときは、参加者に深い感銘を刻み込んだのではなかったか。ただ船の都合で、早朝からの開催になったため、参加者が少々少なかったのが心残りである。運営にあたっては、地元の渦大津句会、無名会、青玄大津支部の皆さんの、ご協力を頂いたことを厚く御礼申し上げる。次回は今回の反省材料を踏まえて、より多くの人が参加でき、より意義のある大会にしたいと考えている。 (中井不二男) 選者特選句 鈴木六林男 特選 夏が好き船べりに碕る危ふさも 三田 陽子 淡水魚杜の深さに溺れたり 服部 近江 伊丹三樹彦 特選 沖の帆の散りては寄りてソーダ水 金山 桜子 浮御堂みて遊船に紅を引く 志村 宣子 和田 悟朗 特選 比良青し仇く船と遊ぶ船 河井 末子 比叡したたりてみやこは車輪の下 加藤風信旗 花谷 和子 特選 夏が好き船べりに碕る危ふさも 三田 陽子 浮御堂みて遊船に紅を引く 志村 宣子 立岩利夫特選 梅雨晴れの比良を廻して出航す 綿貫 伸子 航跡や昨日は既に遠離かり 石川日出子 豊田 都峰 特選 夏つばめ船の手旗と交信す 松井 太乙 沖の帆の散りては寄りてソーダ水 金山 桜子 石田香枝子 特選 サングラス比良も比叡も円の中 和田 悟朗 ヨットの帆三角になり線になり 花谷 清 吉本伊智朗 特選 鳧鳴くくや近江の朝の青臭き 駒沢 知子 薫風に乗って湖賊の舟来るか 三田 陽子 加藤風信旗 特選 緑降る近江に時計停まりをり 西村 操 復活の田螺近江は濡れてあり 山中 西放 山本 千之 特選 水無月の淡海殺意はありません 村井 隆行 剃りあとのざらつきだして梅雨に入る 村井 隆行 以上 |