2025年8月のエッセイ
頑張ります
塩見恵介
私は、以前の大阪万博を知らない、1971年生まれです。
それでも馬齢は重ね、生業の教師では定年までカウントダウンの年齢ではございますが、俳句の世界ではまだまだ若輩者です。
高校時代は、特別活動の先生に稲畑汀子先生がおられる学校に通っておりました。
ただ、俳句の授業にはまったく関心を持たず、ソフトボールばかりしていました。
一方で石川啄木の短歌がとても好きで文学部にすすみました。
学生時代は、盛岡・渋民・函館などへ、青春18切符を駆使し、貧乏旅行で啄木の足跡をたどることが喜びでした。
関西啄木学会にも足繁く通っていたのです。
ただ、肝心の大学で近代短歌専攻のゼミをくじ引きで外し(24分の2の確率!)、芭蕉のゼミに回らされました。
ちょうどそのふて腐れていた時に講師でお越しになられていた坪内稔典先生の講義を受講したのが御縁で、俳句に近づけました。
それでもテキトーな俳句生活だったのですが阪神大震災で家が全壊、避難所での2週間、やることがなく、そこで俳句に本腰を入れだしたように思います。
それからもう30年。現在は、中学高校で国語を担当する傍ら、カルチャーセンターの講座を担当したり、小学生対象の新聞で子どもたちの俳句の選評や子ども達に向けての原稿を執筆したりする生活が、10年が過ぎようといます。
「まるたけ」という小さな俳句グループを京都で起ち上げ、月1回の句会も5年が過ぎようとしています。
年2回の会員誌発刊も軌道に乗り始めました。
女子大学の俳句講義にも週1回赴きます。ここでは毎週句会をしています。
卒業したOGや教職員、他学科の方もふくめた「OG句会」も盛んになり、10年前に8名からはじめたLINEでの句会は現在86名の登録となりました。
素敵な句はイラストレーター・佐々木恵子氏の協力の下、ポストカードとなってたまってきています。(詳細→こちら)
とにもかくにも、俳句が日常の中で、人生の中で、大きな存在となってきました。
さて、この5月より関西現代俳句協会の事務局を、西谷剛周氏(「幻」主宰)より引き継ぎました。
西谷氏のように仕事の馬力も人を束ねる人望も心許ない状態で、新会長の岡田耕治氏はじめ、執行部や会員の皆様にも多くのご心配をおかけすること多々かと存じます。
不安もございますが、兵庫129名、大阪179名、京都88名、滋賀31名、奈良33名、和歌山24名、合計484名の関西現代俳句協会の会員さま全員とどこかでお会いしたり、お関わりできたりの、これからの6年の任期を楽しみに頑張って参ります。
どうぞ皆様、よろしくお願いします。
(以上)
◆「頑張ります」:塩見恵介(しおみ・けいすけ)◆