特集 西東三鬼)作品と略歴

特集の目的
2026年6月、小林恭二氏の小説『三鬼』(講談社)の刊行を機に、西東三鬼という俳人にあらためて光を当てたい。激動の時代に異彩を放ったその存在と作品にふれることで、これまで俳句に関心のなかった方々にも三鬼の魅力が伝わることを願う。

【鼻下のチョビ髭もさりながら、あのグリグリ動く目玉が特徴的です。インチキ臭くて、しかしどこか本物で、根の温かい「人間」でした。】金子兜太 著『わが戦後俳句史』(岩波新書 1985年)より引用。

小説『三鬼』外部リンク
「昭和15年」という覗き穴から描く「戦争への分岐点」…17年ぶりの新作小説『三鬼』をめぐって(小林恭二) | 群像 | 講談社

『三鬼』を読む 野口裕
『三鬼』を読む 中山奈々「熱に近づく」
・短編小説)堺谷真人「算術の少年」

・小説『三鬼』の舞台となった当時の俳壇の状況は、川名大 著『昭和俳句史-モダン化、戦中戦後~寺山修司と「牧羊神」』(角川書店 2025年)が参考になります。

・西東三鬼の自伝的作品『神戸・続神戸・俳愚伝』(出帆社 1975年 → 講談社文芸文庫 2000年)の一部が「兵庫ゆかりの作品| ネットミュージアム兵庫文学館 : 兵庫県立美術館」で公開されています。

西東三鬼の作品
水枕ガバリと寒い海がある    『旗』
算術の少年しのび泣けり夏    『旗』
緑陰に三人の老婆わらへりき   『旗』
昇降機しづかに雷の夜を昇る   『旗』
中年や遠くみのれる夜の桃    『夜の桃』
枯蓮のうごく時きてみなうごく  『夜の桃』
おそるべき君らの乳房夏来る   『夜の桃』
露人ワシコフ叫びて石榴打ち落す 『夜の桃』
広島や卵食ふ時口開く      『三鬼百句』(現代俳句社)
暗く暑く大群集と花火待つ    『変身』
秋の暮大魚の骨を海が引く    『変身』

西東三鬼の略歴
明治33年(1900年)岡山県津山生まれ(本名 斎藤敬直)
大正 7年(1918年)長兄を頼り東京へ移住
大正10年(1921年)日本歯科医学専門学校に入学
大正14年(1925年)結婚 シンガポールで歯科医院を開業
昭和 3年(1928年)帰国 東京で歯科医院を開業
昭和 8年(1933年)共立病院歯科部長に就任 俳句を始める
昭和10年(1935年)「京大俳句」に参加
昭和15年(1940年)第一句集『旗』(三省堂)刊行 「天香」を創刊 京大俳句事件で検挙
昭和17年(1942年)単身で神戸に移住
昭和22年(1947年)現代俳句協会を設立
昭和23年(1948年)山口誓子を擁して「天狼」を創刊 第二句集『夜の桃』(七洋社)刊行
昭和26年(1951年)第三句集『今日』(天狼俳句会)刊行
昭和27年(1952年)「断崖」を創刊
昭和31年(1956年)神奈川県葉山に転居 角川書店「俳句」編集長に就任 翌年退社
昭和36年(1961年)俳人協会に参加
昭和37年(1962年)第四句集『変身』(角川書店)刊行 62歳で逝去

・『現代俳句 第3巻』(河出書房 1940年)に西東三鬼「空港」が収録されています。

『西東三鬼全句集』(角川ソフィア文庫 2017年)に貴重な自句自解が収録されています。

・沢木欣一・鈴木六林男 著『新訂俳句シリーズ・人と作品 13』(桜風社 1979年)は、西東三鬼を知る基礎文献として参考になります。

西東三鬼関連の外部リンク(参考文献)
西東三鬼 - Wikipedia
西東三鬼 | 兵庫ゆかりの作家 | ネットミュージアム兵庫文学館 : 兵庫県立美術館
津山人 西東三鬼-俳句界の風雲児 - 津山瓦版
俳人 西東三鬼 | 俳句データベース ドットコム
水枕ガバリと寒い海がある 西東三鬼 評者: 國定義明 - 現代俳句協会
西東三鬼は変身したか―鬼才の俳人―高橋透水
『増殖する俳句歳時記』検索: 西東三鬼
露人ワシコフ叫びて石榴打ち落す〜神戸とロシアを結ぶ点と線〜齊藤しじみ - 海原
週刊俳句 Haiku Weekly: 俳枕 21 神戸と西東三鬼 広渡敬雄
セクト・ポクリット 俳人・広渡敬雄とゆく全国・俳枕の旅【第13回】神戸と西東三鬼
阪急・阪神沿線文学散歩 カテゴリ:西東三鬼
歯医者でもあった西東三鬼 大垣女子短期大学 下総高次
二つの晩年 西東三鬼の晩年 三橋敏雄
俳人協会々報 1962年5月 No.1
西東三鬼の有名俳句 20選「鬼才」と呼ばれた新興俳句の旗手!! | 俳句の教科書