吟行リレー)仲田陽子「京都御苑~御所の細道」

吟行リレー 仲田陽子
京都御苑~御所の細道

 京都御苑(御所)は京都市のほぼ中心に位置します。御所近辺の学校に通っていたので、体育の授業には紫宸殿(外壁)を一周なんて内容があったり、運動系の部活にも所属していたから、練習メニューで走ることも多々ありました。約2キロ、同じ走るなら学校のグラウンドを何周も走らされるより、広々とした御所を走る方が気持ちがいいに違いない…と思うでしょう?でも、そうとも言い切れないのです。御苑の広大な敷地には樹木も多いのですが、道幅の広い通路(車道四車線ぐらい?)に砂利がびっしりと敷き詰められています。調べてみるとこの砂利、1915年(大正四年)の大正大礼を契機に、景観整備として賀茂川の小砂利が約三年がかりで敷かれたとある。確かに見た目には美しいのだけど、とても歩きにくい。危うくグキッと足首を挫きそうになったことも一度ならず、走るとなると〜非常に難儀する砂利なのです。

 そんな御所に『御所の細道』という道があるのをご存知だろうか。通勤・通学などで自転車を乗る人たちが御所を通り抜けるためにつけていった轍のことで、自然と出来上がった幅2〜30センチほどの、地が白く浮き出ている自転車道のことをいいます。細道から外れるとたちまち厚い砂利にハンドルを取られてしまうので、皆なるべく細道から外れず一列に漕ぎます。スピードを出す人はほとんどいませんが、もし前の人に追いついたなら、ベルを鳴らすことなく、自ら細道から外れて追い抜きます。もちろん対向車も来ます。対向車が近づいてくると慣れた人はサッと避けてくれたりしますが、譲る側・譲られる側にも序列があるような〜ないような?子供<お年寄り<大人、女性<男性といった具合に、なんとなく相手を思いやって、どちらかが譲るという暗黙のルールがあります。おばちゃん同士が対向車の場合はどうなる?その場合は〜圧の強さで勝敗が決まっているかもしれません!?

 御所の細道は東西に二本、南北に一本あるので、京都へお越しの際は自転車で走ってみてください。基本的には譲り合いの精神なので、事故にあったことはありませんが、圧の戦いがあるかもしれません。対向車にはご注意ください。現在では紫宸殿は通年予約無しで参観無料です。無料ガイドもありますので、紫宸殿もおすすめします。

梅雨晴間御所の細道を快走  陽子


仲田 陽子(なかた ようこ)
1969年生まれ、京都市在住。「寒雷」を経て無所属。「ユプシロン」「義仲寺連句会」参加。現代俳句協会会員。