関西現代俳句協会

会員の著作(2022年事務局受贈分)

  句集

『げんげ小屋から』

西谷稔子

幻俳句会 2022年12月1日発行



  幻俳句シリーズ第九弾
  大家族の日常を
       絵心で紡いだ温かい句の数々

アンパンマン壁に飛ばして卒業す
抱擁をはがされている春キャベツ
自画像はおかっぱ姿敗戦忌
自転車の五台ある家燕来る
鍵束の銀の音する今朝の秋
梨を剥く夫婦喧嘩の次の朝
ひらがなは縦書きが好き秋ざくら
いやがるを散髪するも年用意
初詣夫の歩幅で五十年
大仏の生命線の煤払い

裏表紙より

 俳句の感性は、他の分野でも通用すると思っているが、親戚で隣組の作者は書、水彩画、陶芸、編み物と多方面で活躍をされていた。 十二年前、最初に作句の手解きをした頃から持ち前の器用さで他の、初心者とは遣い、一定の水準以上の俳句を作られた事を思い出す。

西谷剛周・・・・・「序」より

 私が俳句に興味を持ち始めたきっかけは、小学生の頃。母がいつも夕食の円卓を囲む私たちに、新聞の小説や、俳句など読んでくれていました。母も戦後の庫裏や食料の句を多く作り、その俳句を半紙に認めていました。それが私の嫁入り道具の一つ風炉先扉風になりました。
 そして奈良の七瀬の一つ稲葉車瀬に嫁ぎ、大家族と子育て、兼業農家の中で、時々新聞に子育て俳句を投句したりの生活でした。

西谷稔子・・・・・「あとがき」より


○発行所

 幻俳句会

 (非売品)

◆句集『げんげ小屋から』: 西谷稔子(にしたに・としこ)◆

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