関西現代俳句協会

会員の著作(2022年事務局受贈分)

  句集

『薔薇は薔薇』

安藤喜久女

文學の森 2022年9月28日発行



 定命や裟婆は裟婆つ気薔薇は薔薇


 昭和の世代として、戦争があり、阪神淡路大震災で罹災し、家を失い再建し、火宅の苦しみから大病にかかり生還した等、記憶を蘇らせてみると、いつも大真面目に生きてきました。「ハイさようなら」となる前 に、これからは愉快に遊びごころたっぷりに生きてみようと……。そこで出来た句を句集の標題としました。

安藤喜久女・・・・・「あとがき」より


○帯「自選十句」より

 牡丹散るしづかな力神を信ず

 雪は雪の芯となりゆき昼灯す

 鱧食べて宗右衛門町昼の月

 篝火に祇園夜桜しらしらと

 うりずんの天地(あめつち)いのち動きだす

 大津絵の鬼も喰はれし雲母虫

 窓いつぱい秋の空入れ初子抱く

 殿様も巻き込む娑婆つ気其角の忌

 六甲に抱かれぬくし港町

 もてなしの風透き通る水団扇

○発行所

 文學の森

 〒169-0075
 東京都新宿区高田馬場2-1-2 田島ビル8階
 電話 03-5292-9188

 (定価 2,700円+税)

◆句集『薔薇は薔薇』:安藤喜久女(あんどう・きくじょ)◆

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