会員の著作(2020年事務局受贈分) 句集 『不存在証明』 佐藤日田路 俳句アトラス 2020年2月1日発行 凝縮する 詩魂のエネルギー 待望の第一句集!日田路氏の俳句は一見、奔放に見えながら、その骨法をしっかりと踏まえており、“俳譜と詩のせめぎ合い”の中に自身の活路を見い出そうとしている。その為、この句集にはカオスのような熱気が存在する。それを以て未熟と難じる人もいるかもしれないが、このカオスこそ詩魂の熱気なのである。私がこの句集を高く評価する所以である。 林 誠司・・・・・栞より
誰しも、己の死と向い合うときが来る。小学五年のとき、このいま母が死んでいないかと不安になった。間もなく、自らの死を想像するようになった。そのとき私の肉体も意識も永遠に無くなる。恐怖の余り拳で風呂場のタイルを撃った。痛みが、恐怖をしばし紛らわせてくれた。 佐藤日田路・・・・・「あとがき」より ○帯「自選12句」より 青空を動かさぬよう魞を挿す サーカスの転校生と桜餅 名をつけて子は親となる箸莪の花 色鯉の口に暗黒入りにけり 勉強がきらいな僕と蝸牛 駄菓子屋は間口一間大西日 心臓に手足が生えて阿波踊 穴惑いあなたが尻尾踏んでいる 芋の露母さん僕は元気です 懐手笑いどころを間違える 踵うつくし霜柱踏めばもっと 肉体は死を運ぶ舟冬の月
○発行所 株式会社 俳句アトラス 〒167-0042
(本体 2,273円+税) ◆句集『不存在証明』: 佐藤日田路(さとう・ひたみち)◆ |
情報募集中!■<会員の著作>のコーナーへの情報掲載をご希望の方は、事務局までお気軽にご連絡ください。関西現代俳句協会の会員の方は、どなたでも当コーナーをご利用いただけます。 当サイトへのリンクについて■ご自由にリンクをお張りください。バナーが必要な場合は下記の画像をお使いください。88×31のGIF形式です。 ■申し出ていただければ、当サイトからもリンクさせていただきます。 |