関西現代俳句協会

会員の著作(2019年事務局受贈分)

  句集

『ブロンズ兔』

藤井なお子

ふらんす堂 2019年10月7日発行



  緑陰へ直線裁ちのワンピース

575の言葉が音を立ててながれるせせらぎ、それが藤井さんだ。
藤井さんの句をめぐる話題が、さざ波のように、または微風のように、
あるいは道端のイヌフグリの花のように広がったら、とてもすてきだ。

坪内稔典・・・・・「解説――『ブロンズ兔』の読み方」より

 

 アサヒビール大山崎山荘の庭にあるブロンズの彫刻、『ボールをつかむ鉤爪(かぎづめ)の上の野兎』 (バリー・フラナガン作)。その姿は、今まさに飛び跳ねようとする瞬間を捉えているように見える。三メートルを超える兎は細くデフォルメされ、後足が巨大な鉤爪の上に乗っている。勝手ながら、私の俳句の守り神にしており、この句集のタイトルとした。

藤井なお子・・・・・「あとがき」より


○帯「自選十句」より

 山彦と乗る春光のエレベーター

 ブロンズ兔万緑をいつも跳ぶ

 母からのスープのレシピ雪の降る

 兄弟は積木の世界シクラメン

 つばくらめ川の真中は風強き

 平成のバニラアイスが溶けてゆく

 口語でも文語でもいい平泳ぎ

 猫なのかルオーなのかと冬めける

 空蟬のほかに良いものなどなくて

 心音に近づいてゆく揚雲雀


○発行所

 ふらんす堂

 〒182-0002
 東京都調布市仙川町1-15-38-2F

 電話 03-3326-9061

 (定価 1,700円+税)

◆句集『ブロンズ兔』: 藤井なお子(ふじい・なおこ)◆

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