関西現代俳句協会

会員の著作(2019年事務局受贈分)

  句集

『発火点』

江島照美

文學の森 2019年9月2日発行



 身の秋のどうにもならぬ二籠り

華やかな雰囲気を持つ作者だが、夫の会社経営を支えるかたわら、二人の子を育て、四人の孫を持つ作者は堅実派で、物事を慎重に考える。
句集に流れる抒情性は、自己を客観視する冷静な目と柔らかな心に裏付けられているのだと思う。

高橋将夫・・・・・「序に代えて」より

 

平成十五年に友人の勧めで俳句を始めました。四十九歳という、これからの人生を考える丁度良い年齢であったと思います。最初に入った結社で基本を学び、「塊」で俳句の深さ面白さが感じられるようになりました。そして、今では俳句は人生の友です。

江島照美・・・・・「あとがき」より

 

○帯「自選十句」より

 曼珠沙華いけないことはしてないわ

 形代は息かけられて骨抜きに

 蟻地獄砂の女と沈みけり

 耕して耕してまた耕せり

 捩り花信じるといふ逃げのあり

 月冴ゆる真の闇とは心の闇

 かざす手に西日の刺さる痛さかな

 侘助や余命を知りて生くる人

 戦ひを不思議と思ふ終戦日

 炎昼やわたしのなかの発火点

 

○発行所

 文學の森

 〒169-0075
 東京都新宿区高田馬場2-1-2 田島ビル8階
 電話 03-5292-9188

 (定価 2,476円+税)

◆句集『発火点』:江島照美(えじま・てるみ)◆

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