関西現代俳句協会

会員の著作(2019年事務局受贈分)

  紀行文

『平成 おくの細道』

三木星童 
三木あゆみ

東京四季出版 2019年4月16日発行



 季節を合わせる約三十五日の旅をひとまず終えた。まだ歩ける間に、と翁の後を慕いて辿れたことは幸い。旅は体力が要ることを痛感、妻の同行があってこそと感謝したい。
 地の景に地の人に出会い、お世話をかけ心を頂いた、常に新鮮な旅であった。月日は過ぎたが、心は若返る思いである。

三木星童・・・・・『平成 おくの細道』「あとがき」より

 

 私達夫婦は共に俳句実作者として、芭蕉の心に触れたいとの思いから『おくの細道』の行程を二人で歩んでみることにしました。
 芭蕉の時代は陰暦のため、現代の陽暦に換算して、多少のずれはありますが、ほぼ同じ時期にほぼ同じ行程を辿ることで、芭蕉と曾良に近づきたいと思い、旅を計画しました。
 二人で旅したのは平成十九年(二〇〇七)。その後、旅の記録を纏めていた時、東日本大震災がありました。旅をした地と被災地が重なり、今出版すべきではないと判断し、原稿を置きました。
 月日が経ち、平成の元号が変わろうとしている今、この旅を平成の時代の記録として残したい、との強い思いから星童は『平成 おくの細道』、あゆみは『平成 おくの細道同行記』として出版することにしました。

三木あゆみ・・・・・『平成 おくの細道同行記』「はじめに」より

 

 歌枕にこだわったこの旅。芭蕉が見据えていた宇宙観、見詰めるスケールの大きさ、人生観、精神的深さに、改めて圧倒されました。
 歌枕に詠まれた時代、元禄の時代、そして終ろうとしている平成の時代。まさに三つの時代の時間的、空間的、時空一体の旅を体験し、感じることができたことに、改めてこの旅の重みを感じ、震える思いがしました。

三木あゆみ・・・・・『平成 おくの細道 同行記』「あとがき」より


○発行所

 東京四季出版

 〒189-0013
 東京都東村山市栄町2-22-28

 電話 042-399-2180

 (定価 4,000円+税)

◆『平成 おくの細道』:
三木星童/三木あゆみ(みき・せいどう/みき・あゆみ)◆

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