関西現代俳句協会

会員の著作(2019年事務局受贈分)

  句集

『夏の蝶』

山田 和

文學の森 2019年3月5日発行



 天平の塔より高き夏の蝶

句集名ともなった「夏の蝶」に
未来に前を向く作者の生き様が
明るく照らされている。

鈴鹿呂仁・・・・・「序」より

 

 丸山海道先生からは実相俳句を学ばせて頂き、故豊田都峰先生、鈴鹿呂仁現主宰より懇切なご指導を賜り、俳句の世界をより深く広く学ばせて頂いております。
 詩の世界から、俳句の世界へ入り、俳句の五・七・五の短い省略され圧縮された言葉、感情を冷静に切りとり、ものや心に焦点をあてる、そして季語の日本語の深さ美しさ、人間も自然の中のひとつであると実感し、夢中になって没頭しました。

山田 和・・・・・「あとがき」より

 

○帯「自選十三句」より

 卒業の証書の朱印匂ひけり

 麦青し弥生の土器のくびれ胴

 花ひごひらこぼし飛天の散華なる

 窯出しの火襷匂ふ柿若葉

 雲の峰大黒柱へ墨を打つ

 畳屋の汗を経ひ込む太き針

 幾杓も掛けて冷せり父母の墓

 もりあがる土偶の乳房稲穂波

 秋深し琥珀のなかの翅一片

 窯変の秋蝶ざなり翔ちゆける

 笹鳴や苔むす岩はみな羅漢

 白さざんくわ関守石の昏き黙

 初日影一刀彫の波頭

 

○発行所

 文學の森

 〒169-0075
 東京都新宿区高田馬場2-1-2 田島ビル8階
 電話 03-5292-9188

 (定価 2,700円+税)

◆句集『夏の蝶』:山田 和(やまだ・かづ)◆

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