関西現代俳句協会

会員の著作(2016年事務局受贈分)

  句集

『虚(空)無』

米岡隆文

邑書林 2016年10月1日発行



 闇暑し阿修羅に髭の有ることの

句集に通底するのは、挫折感、ニヒリズム、不条理、現実の危うさや不確かさ、である。悲哀、生死、自己の存在は、人間としての永遠のテーマだ。米岡隆文さんは、これらの根本問題に、従来は俳句で避けられてきた抽象語を多用するという独自な取り組みを行っている。いわば、抽象・観念を素材として貼り合わせた「コラージュJの作品集というべきかもしれない。

花谷 清・・・・・「序に代えて」より



○帯より「各章一句」

 柘榴の実
 銀自の死者の言の葉食す紙魚

 白光の中
 手を入れて壷中の銀河?み出す

 闇の核
 本尊の胎内にある夏の月

 日蝕と月光
 月も吾も浮かみていたること忘れ

 夢の領野
 斎場ににんげん入れる冷蔵庫

 こんにゃく還暦
 こんにゃくのうらはおもてを凌駕する

 葉子へ 二・三歩……
 葉子好き葉子の好きな著義が好き



○発行所

 邑書林

 〒661-0033
 兵庫県尼崎市南武庫之荘3-32-1-201
 電話06-6423-7819

 (定価 2,500円+税)

◆句集『虚(空)無』: 米岡隆文(よねおか・たかふみ)◆

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