会員の著作(2016年事務局受贈分) 句集 『存問』 高見道代 本阿弥書店 2016年1月30日発行 猿楽を待つや田氷しまりつつ道代さんの俳句が開花したのは、吉本伊智朗の骨太でドラマチックな方法を会得し、さらに造化の精神の深層へと馴染んでいったからだろう。この一集の読後、存問の快さに大きな深呼吸ができたらまたひとつ、心のやすらぎに酔えるのではないだろうか。 はりまだいすけ・・・・・「序に代えて」より 扨、俳句とはなにか、につきましては、様々と言われています。高浜虚子は、『虚子俳話』の中で「日常の存問が即ち俳句である」と述べています。存問とは、安否を問う、また慰問することです。四季における自然や、人の人生や、その生活への挨拶であり、呼びかけることです。その存問を第二句集の題名にと思いつきました。私の句集に寄り添ってくれるよう願っています。 高見道代・・・・・「あとがき」より ○帯より9句 陸封の潮の澄みたる端居かな 四五人の渉りのしぶき薬の日 畝に簎つき刺してあり鹿の声 華燭過ぎ秋の山繭地に一つ 終着駅見れば寒雁田に散つて 極上の酒を少々卯浪見て 観音の視界に一つ海鼠舟 蜥蜴ゐる歌垣の世の貌をして 湯上りに見る曳航の牡蠣筏 大寒の汽水に釣れし出世魚 ○発行所 本阿弥書店 〒101-0064 電話 03-3294-7068 (定価 2,800円+税) ◆句集『存問』(ぞんもん): 高見道代(たかみ・みちよ)◆ |
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