関西現代俳句協会

会員の著作(2015年事務局受贈分)

  評伝

『鳥取の俳人 尾﨑坡酔』

小山貴子 編・著

私家本 2015年12月23日発行



 尾﨑三智子氏とお会いしたのは八年ほど前のことかと思う。
 私は大学時代より尾崎放哉の俳句に魅かれ、次第に彼の生涯に興味を持つようになっていた。
 放哉が一高東大という超エリートコースを歩みながらなぜ晩年は小豆島の小庵で一生を閉じなければならなかったのか、それには生い立ちが根底のところで関わっているのではなかろうかと思うようになっていた。
 そんなことから郷土鳥取で阪本四方太が創設した「卯の花会」を調べていた。
 放哉が初めて俳句と出会ったのが「卯の花会」であったからである。
 この「卯の花会」には沢山の魅力ある俳人が揃っている。
 しかし、当初より大変熱心に俳句を作り人物としても異彩を放った田中寒樓を除けば、阪本四方太からしてあまり研究が進んでいないようであった。
 私は先ずは「卯の花会」について知りたいという一心であったから、「卯の花会」の会員とおぼしき俳人の名が出る鳥取中学(現 鳥取西高校)の校友会雑誌『鳥城』をはじめとして、『ホトトギス』『反省会雑誌』『木兎』『鳥取新報』『因伯時報』等々にあたって資料を探していた。
 その際に放哉よりもはるかによく登場する人物の一人が坡酔であったのである。
 一体どういう人物なのだろうという疑問はずっと疑問のままに月日が流れていた。

小山貴子・・・・・「あとがき」より

 義父尾崎脩三は多趣味な実業家であったが、俳句にも並々ならぬ情熱を傾けていたことはあまり知られていない。
 この度出版されることになった『鳥取の俳人 尾﨑坡酔』を執筆して下さった、尾崎放哉の研究者として知られる小山貴子氏との幸運な出会いがなければ、この本は世に出ることはなかった。

尾﨑三智子・・・・・「刊行に寄せて」より


○発行者

 尾崎三智子

◆評伝『鳥取の俳人 尾﨑坡酔』:小山貴子(こやま・たかこ)◆

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