関西現代俳句協会

会員の著作(2014年事務局受贈分)

  句集

『鶺鴒』

川口ますみ

新俳句人連盟 2014年2月16日発行



 二〇〇八年に第一句集『雁』を出してから早や五年の月日が流れました。この間、何と言っても二〇一一年三月の東日本を襲った大地震と大津波、その後の原発事故は大きな衝撃でありました。俳句の持つ力の意味を深く考えさせられ、今に至るも葛藤の中にいます。
 人は自らの立ち位置で何を成すべきかを思い悩み、やがて普段を元気に生きる事の中で被災地を想い続ける大切さに気付きます。俳句もまたその強さを私に教えてくれました。
 独学で俳句を始めたのが一九九六年、阪神淡路大震災の翌年でした。いま再び大震災の淵に立って改めて謙虚に句に向い合ってみたいと考えています。今回の句集は「雁」の時の恐いもの知らずの元気さとは違い、のたうつ私がいます。落胆と勇気を絢い交ぜにしながら瓦機の詩語の山から拾い上げた一つ一つを編みました。
 人としての信念。社会への問題意識。遊び心。が私の句の旨とするところです。多くの皆様の降るほどの叱咤と少しばかりの励ましを頂戴できれば嬉しい限りです。

川口ますみ・・・・・「あとがき」より


○発行所

 新俳句人連盟

 〒114-0022
 東京都北区王子本町1-28-14

 電話 03-3909-1189

 (定価 1,000円)

◆句集『鶺鴒』: 川口ますみ(かわぐち・ますみ)◆

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