会員の著作(2012年事務局受贈分) 句集 「炎天は負うてゆくもの」 山中 西放 私家本 2012年7月1日刊
炭酸水そっと栓抜き否決する「俳句という表現を通じて、人間の暗部に光をあたえる事が出来たらといつも思っています。」と、山中さんは記されていた。声高に目立つことはなくても地道に信ずるところを行く、そういう歩き方が一番自然であると、改めて知る一句である。紛れずにいることの大切さも、常に語ってくださる。既成の概念に捉われることなく、真摯に俳句と向き合って行こうということだと、折々に思い返している。 小山田真里子・・・・・「跋」より 結局創作は何からも自由でなければならないのではないのか。そう思った時、肩の荷が降りたような気がしました。迷いながらもこれが今後自分の表現したい俳句方法の到達点である思いがします。その中で私がそれに見合ったどの様な思いの俳句を詠もうとしてきたのか不出来をご承知の上ご観読頂ければ幸いです。 山中 西放・・・・・「あとがき」より ○「跋」より十二句 キャベツ剥く核の疑惑の辺りまで よその人ばかりが通る京の夏 裸足の子ライフル銃とコーランと 太陽のごろんと落ちて懐手 置くたびに凹みの変わる夏帽子 爆死した脚からかえるひろしま忌 働いて俺に一生蟻に一生 花火待つ花火の消えし顔並べ 悲しみの集まっている三輪車 炎天は負うてゆくもの傾いて 疎まれて存在となる春の蠅 お子様ランチ戦闘ヘリが載せてある ○発行所 私家本 〒601-8394 電話 075-314-5809 (非売品) ◆句集「炎天は負うてゆくもの」(えんてんはおうてゆくもの): 山中 西放(やまなか せいほう)◆ |
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