関西現代俳句協会

会員の著作(2012年事務局受贈分)

         句集

「美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠」

久保純夫・久保るみ子

現代俳句協会 2012年5月2日刊

 

句集『美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠』は、もともと句日記として書いていたものから、俳句だけを独立させたものです。従って、すべて妻である流美子に向かって書かれた俳句になります。
二〇一一年六月二五日、流美子がいなくなってからも、俳句は書き続けました。この三六五+αの句の後ろには毎日の想いが填っているのです。
そして流美子が久保るみ子として書いた最後の作品になった四八句を収録しました。

久保 純夫・・・・・帯文より

○帯「天草基江選」より

(太字は久保るみ子さんの作品)

 片方の眉上げており紫木蓮

 虎杖や上手に折りし音がして

 常世から少し揺らぎて蓮華草

 金雀枝やこの世のものが散りゆけり

 ときどきは右目が覗く和布かな

 息潜めいま蓴菜となる途中

 割れ目より水がこぼれしチューリップ

 あめつちを震わせているががんぼよ

 草餅の端より草餅始まりぬ

 山法師どこを向いてもるみ子

 紫陽花のあちらこちらでるみ子死す

 青葡萄つるんと剥けてるみ子死す

 ○発行所

 現代俳句協会

 〒101-0021
 東京都千代田区外神田6-5-4 偕楽ビル7階

 電話 03-3839-8190

 (定価1500円、税込)

◆句集「美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠」
   (うつくしきしをまんなかのせつなあるいはえいえん):

久保純夫・久保るみ子(くぼ すみお・くぼ るみこ)◆