関西現代俳句協会

会員の著作(2011年事務局受贈分)

   句 集

「ハレー彗星」

藍 俳句会 2011年5月28日刊

 

この句集名『ハレー彗星』については、父が十一歳の少年の時(明治四十三年)に見たこの星の美しさが忘れられず、七十六年周期の地球接近を待ち侘びていたのです。 それは父が八十七歳(昭和六十一年)の時でした。しかし…。この度、形を変えて現れた『ハレー彗星』をどの様に見ることでしょうか。

寺門 良子・・・・・「あとがき」より

○花谷和子「序にかえて」より十四句

 啄木鳥や葱刻む窓すこしあけ

 パン生地の醗酵朝からつもる雪

 鳩時計の鳩を休ます花の旅

 姑と来し三十余年柿の花

 ハレー彗星再び見んと父の春

 母の名の病室へ入る黄水仙

 末っ子も嫁いでゆきし合歓の花

 大き目に編む孫の服福寿草

 ナイヤガラの滝音絶えず夜の長し

 ローレライの岩振り返る夏帽子

 誕生日のワイン真紅のシクラメン

 オパールに透きたる春の色いくつ

 紅薔薇のとげへ紅さし絵筆おく

 断たねばと思うその情リラの花

○発行所

 藍 俳句会

 〒560-0024
 豊中市末広町2-8-5

◆句集「ハレー彗星」(はれーすいせい):寺門 良子(てらかどよしこ)◆