関西現代俳句協会

会員の著作(2011年事務局受贈分)

   句集

「午前四時」

紙谷香須子

美研インターナショナル 2011年5月31日刊

 

紙谷香須子さんは久しく近江の地に住み馴れ、琵琶湖と比叡山にかこまれた環境を生活の原風景として暮らしている。山と湖は日ごとに、また四季ごとに、さまざまの姿を見せて、香須子さんはそれを詠む。
作者香須子さんは、ほぼ平成の初年のころより俳句を作り始め、現在は俳誌の「風来」と「里」に所属して作句に精力を注いでいる。この句集『午前四時』は、その間の十年以上に及ぶ期間の作品を選んで集めたものである。

和田 悟朗・・・・・「序文」より

○和田悟朗「序文」より十句

 心地よい拒絶夏帽子畳む

 薄氷に雲を動かす力あり

 引く波のあとまっさらな夏来たる

 夏座布団我が晩年を裏返す

 花瓜や老い知り初めし午前四時

 森林の精気はげしき滝となり

 九個目の朝顔にして藍となる

 枯野今天の四隅にのびており

 幸せも二階もなくて去年今年

 哲学の猫集まって日向ぼこ

○発行所

 美研インターナショナル

 〒153-0042
 東京都目黒区青葉台4-7-7 住友不動産青葉台ヒルズ1階

 電話 03-5790-5750

 (定価2000円、税別)

◆句集「午前四時」(ごぜんよじ):紙谷 香須子(かみや かずこ)◆