関西現代俳句協会

会員の著作(2011年事務局受贈分)

       句集

「すぷりんぐはずかむ」

外山 安龍

ふらんす堂 2011年3月3日刊

 

百日紅替る替るに母を訪ひ

外山安龍氏の句。長命を保たれる母親をその子や孫たちが交替で訪ね見舞っているのであろう。しばらくその母の許に在る刻を、それぞれが大切にしているのだ。百日紅がその雰囲気をよく伝えている。

黒田 杏子・・・・・「帯文」より

○巻頭句と帯・自選10句

 すぷりんぐはずかむ雨のにほひして

 百日紅替る替るに母を訪ひ 

 梅花藻やふつと浮かびしオフィーリア

 真つ先に箸つけなさい櫻鯛

 雲切れて岩湧山の青すすき

 初凪やちりめん波の日向灘

 大花野時折呼んでおーい君

 銀行のありそな通りさくらどき

 さはさはと糺の森の風光る 

 夏野菜フォークの先を逃げ回る

 母連れて茅花流しに吹かれけり

○発行所

 ふらんす堂

 〒182−0002
 東京都調布市仙川町1−9−61−102

 電話 03−3326−9061

 (定価2381円、税別)

◆句集 「すぷりんぐはずかむ」 : 外山 安龍 (とやま あんりゅう)◆