関西現代俳句協会

会員の著作(2011年事務局受贈分)

  句集

「火伏神」

和田 謹次

草風の会 2010年12月刊

 

言葉が沈黙の充満から生じ、神秘主義者がつねに健康であると!和田謹次の作品は神秘と同時にユーモラスを所持している。彼の発想のバラツキは、むしろユーモラスである。そこら辺りを汲み取って読んでほしい。すばらしいユーモラスに出会うだろう。

福田 基・・・・・「帯文」より

○帯十句(福田 基抄出)より

 新松子空を押し上げいたりける

 いくばくの眼の泛ぶ蝌蚪の水

 通夜に来て傘の水切るおぼろかな

 鋳掛屋の半田の華も蝶の昼

 ひとひらの風にて蝶の眠るかな

 水紋を日傘に容れて傾ぐなり

 己が時間盗まれやすし鳥雲に

 螢袋に抱かれし影杳(よう)と消ゆ

 姿見にひるがえりたる葛の花

 星さがす星に迷いて神の留守

○発行所

 草風の会

 〒578-0972
 東大阪市鴻池町1-25-15

 電話 06-6746-1365

 (非売品)

◆句集「火伏神」(ひぶせがみ): 和田 謹次(わだ きんじ)◆