関西現代俳句協会

会員の著作(2010年事務局受贈分)

   句 集

「天望」

豊長みのる

本阿弥書店 2010年9月26日刊

 

俳句は生きとし生けるものの夢の断片である。

俳句は境涯の詩であり、生きようとする精神の象徴でありたい。それゆえに私は人生の哀歓を土台に、句作は必ず実感から入り、カタルシスのある句をと常に志している。

豊長 みのる・・・・・「帯文」より

○帯・自選十句

 雲の峰おもてを上げて歩むべし 

 水打つてかの世から風来りける

 ユーラシア大陸模糊と夏は去らず

 鰯雲流離のこころ定まらず

 雁や渡る天山山脈雪に耀り

 冬の虹人に生死の運命(さだめ)あり

 オーロラは星々を捲き冴ゆるなり

 冬の星いのち拾はば生くるのみ

 釈迦山を鳶の笛澄む淑気かな

 今生のさくらが咲いて鐘の音

○発行所

 本阿弥書店

 〒101−0064
 東京都千代田区猿楽町2−1−8

 電話 03−3294−7068

 (定価2858円、税別)

◆句集 「天望」 (てんぼう) : 豊長 みのる (とよなが みのる)◆