関西現代俳句協会

会員の著作(2008事務局受贈分)

句集「背鰭」

和田 謹次

2008年7月刊 草風の会

和田謹次のこの度の作品は多義・多様性に加えて神秘的である。その神秘性は季語がもたらしたものではない。すべての「事・物」を心眼によって捉え、こころで消化したものだ。それは大きな一つの宇宙論とも言えよう。そのこころの深奥にある人生の美学と、流れゆく歴史的な<もだ>をぜひとも汲み取ってほしいと思う。(☆表紙の帯より)

福田 基

○作品(帯の福田基抄出十句よりー

 風花や鴎の腋が透けて見ゆ

 昏れなずむ空に渦なす薄原

 霧はしる無為の背鰭に予感せり

 妻逝きて岩のしずくに破れ傘

 陶人の火を熾すとき涙する

○発行所

  〒578−0972 東大阪市鴻池町1−25−15

   草風の会

 (定価は記載されていません)