関西現代俳句協会

会員の著作(2007事務局受贈分)

随想集   「四季のエチュード」 

猪野美子

河北印刷製作 2007年12月20日刊

  (はじめに より事務局)

  ”つれづれ”と名づけた小文を昨秋のある日思いついたように書き始めた。最初の健康不調の訪れから十七年目に入っていて、日々に倦んでいた。文章をまとめるのは仕事で得た習慣であるが、自分の惨めな姿を文字に留める気持ちにはなれないできた。しかし一段と病状が進む中で、どんな一日を過ごしたかを書き残すのもいいじゃあないかという気持ちが生まれた。

 上手くいけば一年間の短い”自分史”にと、十一月一日を第一回とする小文が今年十月三十一日まで、計百三十回溜まった。上出来であった。つれづれの気分の集積だが、長く交友を頂いた方、ほんの最近に心を通わすお付き合いが出来るようになった方々に読んで貰いたいと本にし、お届けしようとしている。

○各随想の最後に掲載の俳句からー事務局)

 去年今年ゴドー待ちたるわたしかな

 黄砂降りあとに蘇州のしずくかな

 梅雨入りてデジャビュ(既視)の気配漂ひぬ

 魔女のやう装いても秋の別れ

 外は雨芒の迷路を歩こうか

 ○製作所

  〒601−8461 京都市南区唐橋門脇町28

   河北印刷株式会社

 ( 非売品)