関西現代俳句協会

会員の著作(2007事務局受贈分)

句集   「截金」(きりかね)

田宮尚樹

角川書店 2007年2月17日刊

  ☆帯の文章(跋より)

  「天狼」の即物具象、「雲母」の自然や人間をいつくしむ内に畳み込んでゆく美意識、「草苑」の主情を基底においた抒情、これらが育んだものが、いつしか田宮さん自身の力となってきて今日の田宮尚樹になっていったように思われます。句作四十年のよき成果に祝意を表し、今後もすこやかな句境を深めていっていただきたく思って降ります。

                                   宇多喜代子

○自選十二句より(事務局)

 二月の木無心といふは日の色か

 遠くまで自足のひかり薄原

 湖澄みて銀器に疵の泛く日かな

 金箔は塵をとどめず鏡花の忌

 切金のわずかな光り梅の枝

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 (定価 2667円 税別)