関西現代俳句協会

会員の著作(2006事務局受贈分)

前田霧人 論作  「 鳳作の季節 」

沖積舎2006年9月15日刊

 篠原鳳作(1906年生)の生誕100年に彼の業績を論考した決定版

○帯の文章を引用(事務局)

 しんしんと肺碧きまで海のたび   雲彦

彼の代表作であるこの句には季語がない。無季である。この句を作った時、彼はまだ雲彦と号していた。そしてもう一つの俳号は未踏(みとう)。

未踏の大地を、鳳凰が舞い雲が流れる空の高みを目指す、彼は俳人中のロマンチストであった。 本書序章より

○終章 「新しい年」結びより

 無季と有季の関係はかつての天動説と地動説に似ている。無季は有季を否定するものではなく、むしろその根底に横たわり包含するものである。宇宙には季節がない。あるのは永遠と無、そして、その証しとしての神のみである。人間は皆、宇宙から来て、また、宇宙へと還って行く。詩とは宇宙、あるいは神に対する人間の永遠の呼び掛けであり、俳句もまた、その一つの形式なのである。

○ あとがきより

 本書は俳誌「天街」に平成15年7月から平成18年9月に渡って連載した内容を、その後に得られた資料も追加して加筆修正し、纏めたものである。

○購読申込

・発行元

 〒101-0051
 東京都千代田区神田神保町1−32

 沖積舎

 (定価3500円、税別)