関西現代俳句協会

■2017年2月 青年部 招待作品

亡骸/内藤独楽








 亡骸

 内藤 独楽




傷つける言葉を探す花に雨


パソコンを閉じて桜の死が見たい


初蝶が逃げないように汚した手


聞こえますかここは五月雨が降る星


紫陽花は独りが耐えられないという


戦いを知らぬ薔薇あり火に投ず


朝顔が毎日朽ちてゆく役目


手のひらに何も書いていない炬燵


風邪薬三錠這い上がるために


コンビニの亡骸に立ち春を惜しむ


◇「亡骸」:内藤独楽(ないとう・こま)
1969年生まれ 横浜市在住
所属団体:なし

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