関西現代俳句協会

■2014年1月 青年部俳句作品

母の匂ひ/凡 鑽








母の匂ひ

凡 鑽



日向ぼこ母の指差す昨日かな


八十の母に接吻あたたかや


古りし手のささくれほどの春愁ひ


花の昼丁寧に洗ふ母の骨


母の忌や月下美人は乳の色


のらくらと月日を生きて薯に臍


母に詫び蜘蛛に謝り墓洗ふ


雪虫や母の匂ひを追ふやうに


北窓閉づ仏の母のすぐ横の


一人居のひとり厠の寒さかな


▲関西現代俳句協会青年部過去掲載ページへ

▲関西現代俳句協会青年部トップページへ