宇多喜代子 選 |
173 |
特選 |
飛鳥川へ一閃棚田の落し水 |
遊田久美子 |
143 |
次点 |
大滝や迸る水は空色 |
櫻淵 陽子 |
113 |
次点 |
流れ行く雲を映して仔鹿の目 |
山本あかね |
17 |
入選 |
秋の雲日本武尊を追い掛けて |
曾根 毅 |
34 |
入選 |
つつぬけの天を斜めに秋燕 |
村澤真紀子 |
47 |
入選 |
鯖雲の流れる方へ身体向く |
秦 夫 |
53 |
入選 |
神無月五体をめぐる朝の水 |
赤窄 結 |
75 |
入選 |
リコーダー湖水たゆたふ秋の昼 |
井波 良江 |
97 |
入選 |
樹も石も神宿る国水澄めり |
尾崎 竹詩 |
124 |
入選 |
千年が丸く修まり椿の実 |
西村 白杼 |
136 |
入選 |
秋夕日ぼこっと海に吸いこまれ |
辻本 孝子 |
141 |
入選 |
軽さうに水車を回す春の川 |
橋 将夫 |
【特選句 選評】
やがて稲刈りをする田の水を落す。飛鳥川沿いの田、その水が光った。その一瞬をとらえた句。 |
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久保 純夫 選 |
116 |
特選 |
赤ん坊に水の重さや月天心 |
麻殖生伸子 |
20 |
次点 |
紅萩に身を寄せ人とすれ違う |
蔵田ひろし |
52 |
次点 |
曼殊沙華昼の密度となりにけり |
小西 瞬夏 |
28 |
入選 |
鬼やんま乾きし音を残しゆく |
山ア 篤 |
66 |
入選 |
秋晴の螺旋階段拭きにけり |
岡村 知昭 |
77 |
入選 |
ぎしゅぎしゅと水着絡まる次は数学 |
渡邉イツキ |
122 |
入選 |
早々に鹿の来てゐる裁判所 |
樋本 和恵 |
124 |
入選 |
千年が丸く修まり椿の実 |
西村 白杼 |
161 |
入選 |
葛城の水の納まる青田かな |
内田 茂 |
168 |
入選 |
耳朶はやさしきところ吊し柿 |
西谷 稔子 |
177 |
入選 |
一合の新米を研ぐ水の音 |
松本 善子 |
206 |
入選 |
糸電話糸をゆるめず居待月 |
村田あを衣 |
【特選句 選評】
赤ん坊の体重が5sと想定すると、水の重さは3sくらいだろうか。空の真中に浮かぶ月がこの赤子の未来を暗示している。果たしてどんな人生を送るのだろう。重さという表現が作者の禱りのように思われる。 |
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曾根 毅 選 |
60 |
特選 |
どんぐりで払えるし見晴らしも良い |
木村オサム |
31 |
次点 |
姉はいまいわし雲で饒舌で |
谷川すみれ |
89 |
次点 |
灯しても灯しても出雲は白雨 |
米岡 隆文 |
20 |
入選 |
紅萩に身を寄せ人とすれ違う |
蔵田ひろし |
52 |
入選 |
曼珠沙華昼の密度となりにけり |
小西 瞬夏 |
79 |
入選 |
侍のもう居らぬ城水の秋 |
山田すずめ |
99 |
入選 |
青春の終わり水着に穴 |
金澤ひろあき |
111 |
入選 |
鍵穴に月光これからのひとり |
夏 礼子 |
130 |
入選 |
鉈の切れ指先で読み枝打ちす |
仲井タミ江 |
168 |
入選 |
耳朶はやさしきところ吊し柿 |
西谷 稔子 |
180 |
入選 |
丁寧なことば掛け合ふ菊日和 |
あめ・みちを |
208 |
入選 |
試供品のやうに盛りたり零余子飯 |
青木 美葉 |
【特選句 選評】
香川県にある「どんぐり銀行」のような、どんぐりを通貨に見立てた子供向け施設を想像しました。子供たちの笑顔とともに、見晴らしの良い場所で、爽やかな秋を満喫しているようです |
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高橋 将夫 選 |
158 |
特選 |
老いてなお奥を目指せり茸山 |
廣畑 昌子 |
7 |
次点 |
決壊の川とも見えず水澄めり |
八王寺宇保 |
183 |
次点 |
小鳥来る水の抜かれた池にくる |
寺町 容子 |
18 |
入選 |
降雪は夜の深さを知つている |
曾根 毅 |
20 |
入選 |
紅萩に身を寄せ人とすれ違う |
蔵田ひろし |
50 |
入選 |
深秋の眠れぬ夜のプラシーボ |
宮武 孝幸 |
61 |
入選 |
狸穴に常連戻り新走 |
松村 和寛 |
92 |
入選 |
路地を出てかなかなと鳴き風になる |
丸岡 泥亀 |
95 |
入選 |
銀漢に漕ぎ出す舟の水脈の星屑 |
秋山 節子 |
97 |
入選 |
樹も石も神宿る国水澄めり |
尾崎 竹詩 |
104 |
入選 |
波音は地球の呼吸夜の秋 |
寺田 須美 |
163 |
入選 |
個も淋し集団も憂し穴の蛇 |
西田 唯士 |
【特選句 選評】
老いても前向きに生きたいものだが、目指すところが茸山であるところに共感。いまさら華やかな舞台を求めるでもなく、高みをめざすでもなく、茸山の奥だという。派手さではなく、高みでもなく深みを目指すという。 |
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花谷 清 選 |
30 |
特選 |
つくねんと机に更けて秋二つ |
森本 突張 |
89 |
次点 |
灯しても灯しても出雲は白雨 |
米岡 隆文 |
168 |
次点 |
耳朶はやさしきところ吊し柿 |
西谷 稔子 |
28 |
入選 |
鬼やんま乾きし音を残しゆく |
山ア 篤 |
43 |
入選 |
ふたかみの山に雲湧く迢空忌 |
横田 明美 |
54 |
入選 |
秋日濃し喪の合唱のアヴェ・マリア |
赤窄 結 |
60 |
入選 |
どんぐりで払えるし見晴らしもよい |
木村オサム |
107 |
入選 |
往古より水音凍てる山毛欅の森 |
中井不二男 |
111 |
入選 |
鍵穴に月光これからのひとり |
夏 礼子 |
116 |
入選 |
赤ん坊に水の重さや月天心 |
麻殖生伸子 |
156 |
入選 |
直線が直線を追う曼珠沙華 |
峯 悦子 |
166 |
入選 |
はなゑみの幽けき音や女王花 |
辻井こうめ |
【特選句 選評】
特選にいただいた句は、正岡子規が、松山で、夏目漱石 と別れの際に詠んだ<行く我にとどまる汝に秋二つ>を踏まえている。<秋二つ>は、大切なひととの別れを示し、喪失感のなかの夜更けを想像した。 |
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鈴鹿 呂仁 選 |
41 |
特選 |
地球という穴から覗く銀河系 |
今村タケシ |
7 |
次点 |
決壊の川とも見えず水澄めり |
八王寺宇保 |
140 |
次点 |
立て前も本音も秋思秘めており |
濱口 宏子 |
28 |
入選 |
鬼やんま乾きし音を残しゆく |
山ア 篤 |
37 |
入選 |
県境を越してそのまま穴惑い |
中嶋 飛鳥 |
112 |
入選 |
風に色ありてコスモス畑かな |
夏 礼子 |
121 |
入選 |
とんぼうのこつんと水を叩きけり |
樋本 和恵 |
147 |
入選 |
ジーパンの身に添ふ穴や鰯雲 |
和田 Y子 |
165 |
入選 |
綿棒のさぐる耳穴秋暑し |
辻井こうめ |
170 |
入選 |
蛇穴に入るカリスマ性をちらつかせ |
北村 文江 |
177 |
入選 |
一合の新米を研ぐ水の音 |
松本 善子 |
206 |
入選 |
糸電話糸をゆるめず居待月 |
村田あを衣 |
【特選句 選評】
地球は「ほし」と読みたい。地球の穴とは深い言葉であり、今のコロナ 禍の汚染、飢餓、国の内戦等による荒れんだ凸凹の穴であろう。逆に、中秋の空に見る銀河系の美しさとの対比は、ドラマティックな展開と言える
。 |
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志村 宣子 選 |
59 |
特選 |
ひとつだけ持ち込める空蛇穴に |
木村オサム |
55 |
次点 |
天の川VS生理食塩水 |
村井 隆行 |
124 |
次点 |
千年が丸く修まり椿の実 |
西村 白杼 |
20 |
入選 |
紅萩に身を寄せ人とすれ違う |
蔵田ひろし |
32 |
入選 |
つぎつぎに肺をひろげて曼殊沙華 |
谷川すみれ |
43 |
入選 |
ふたかみの山に雲湧く迢空忌 |
横田 明美 |
98 |
入選 |
信長が大統領なら彼岸花 |
尾崎 竹詩 |
104 |
入選 |
波音は地球の呼吸夜の秋 |
寺田 須美 |
111 |
入選 |
鍵穴に月光これからのひとり |
夏 礼子 |
116 |
入選 |
赤ん坊に水の重さや月天心 |
麻殖生伸子 |
166 |
入選 |
はなゑみの幽けき音や女王花 |
辻井こうめ |
208 |
入選 |
試供品のやうに盛りたり零余子飯 |
青木 美葉 |
【特選句 選評】
自分の意志に関わらず尻尾で空を引き摺りながら蛇は穴に入り冬眠する。冬眠の穴倉は小さな宇宙となり空には星座が輝くだろう。長い眠りの中、夢を見つつ命を温めながらひたすら春を待つのだろう。
|
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岡田 耕治 選 |
156 |
特選 |
直線が直線を追う曼珠沙華 |
峯 悦子 |
28 |
次点 |
鬼やんま乾きし音を残しゆく |
山ア 篤 |
84 |
次点 |
落花生日本家屋は佳く燃ゆる |
まんぷく |
32 |
入選 |
つぎつぎに肺をひろげて曼珠沙華 |
谷川すみれ |
44 |
入選 |
太陽にもっと近づきたい檸檬 |
横田 明美 |
116 |
入選 |
赤ん坊に水の重さや月天心 |
麻殖生伸子 |
121 |
入選 |
とんぼうのこつんと水を叩きけり |
樋本 和恵 |
136 |
入選 |
秋夕日ぼこっと海に吸いこまれ |
辻本 孝子 |
161 |
入選 |
葛城の水の納まる青田かな |
内田 茂 |
168 |
入選 |
耳朶はやさしきところ吊し柿 |
西谷 稔子 |
177 |
入選 |
一合の新米を研ぐ水の音 |
松本 善子 |
216 |
入選 |
君も僕も軍国少年亀鳴けり |
八木 健夫 |
【特選句 選評】
曼珠沙華は曲線に開くが、作者はその曲線の中に「直線」を感じ取った。線となって枯れていく様子も、この「直線」には含まれているようで、シンプルだが味わい深い。 |
西谷 剛周 選 |
162 |
特選 |
夜食には間のあるシャドーボクシング |
内田 茂 |
168 |
次点 |
耳朶はやさしきところ吊し柿 |
西谷 稔子 |
183 |
次点 |
小鳥来る水の抜かれた池にくる |
寺町 容子 |
28 |
入選 |
鬼やんま乾きし音を残しゆく |
山ア 篤 |
38 |
入選 |
秋晴れの嘘にふくらむ鼻の穴 |
中嶋 飛鳥 |
52 |
入選 |
曼珠沙華昼の密度となりにけり |
小西 瞬夏 |
97 |
入選 |
樹も石も神宿る国水澄めり |
尾崎 竹詩 |
111 |
入選 |
鍵穴に月光これからのひとり |
夏 礼子 |
116 |
入選 |
赤ん坊に水の重さや月天心 |
麻殖生伸子 |
124 |
入選 |
千年が丸く修まり椿の実 |
西村 白杼 |
141 |
入選 |
軽さうに水車を回す春の川 |
橋 将夫 |
147 |
入選 |
ジーパンの身に添ふ穴や鰯雲 |
和田 Y子 |
【特選句 選評】
ボクシングで、相手を想定して一人でフットワークやパンチなどの練習をするのを、シャドーボクシングというが、夜食からプロでないことが分かる。ダイエットのつもりなのだろうが、食欲の誘惑に勝てない。 |