関西現代俳句協会第5回定例句会開催
平成29年7月29日(土)午後1時よりヴィアーレ大阪に於いて第5回の定例句会を開催した。参加者は事務局5名を含め44名であった。
参加者全員の作品を掲載いたします。(50音別) 流燈の行きつく先をたれも知らず 天谷 翔子 雲の峰傘を閉ぢたり開いたり 上田千恵子 俎も神棚も無き終戦日 上藤おさむ 片陰に入りきらざる肩怒る 内田 茂 箍外れ解き放さるる生身魂 江島 照美 庭花火手暗りなる昭和かな 大西 陽子 祭終え電信柱だけ残る 音羽 和俊 いち日の日暮ひき寄せ鱧の皮 川﨑 奈美 山の日の自問自答の登山道 河口久美子 滝壺に落ちたる水にある安堵 北村 峰月 核廃棄お花畑の種ひらう 木野 俊子 かき氷だんだん舌の痩せてくる 熊川 暁子 蟇声を出さねば老いてゆく 桑田 和子 鮎釣りの魚籠に二三の影のあり 桑田多恵子 原爆忌人は自由の水を飲み 志村 宣子 遠雷や首相夫人を売りにくる 翠 雲母 無量寿の宇宙の中の蟻地獄 高橋 将夫 水無月やその切り口の小気味良し 谷口 道子 手花火のあと一本にみんなの目 谷下 一玄 河鹿鳴く鬼は盥を揺らしつつ 樽谷 寛子 戦中戦後蝗変らぬ色のまま 千原 恭子 裾まくり金魚すくいの輪の中へ 永田 悠 夏の朝ヤンキー座りのヨガポーズ 永田 良子 舷に形代の貼り付いてをり 中西 厚子 にいにいもくまもあぶらもみんみんも 中俣 博 のりしろは余白か闇か蝉時雨 西川 吉弘 タンゴはラ・クンパルシータ喜雨踊る 西田 唯士 目打打つ土用鰻に似たおやじ 西谷 剛周 丑の日は蒲焼ありぬ病院も 野村 朴人 蕺草干す仕事受け継ぐ三逮夜 橋本 昭一 白蓮のあらゆる色を拒む艶 花谷 清 たましひの戻り損ねし昼寝覚 樋本 和恵 白絣女に見せぬ裏の顔 平井芙美子 花火なら胸の奥にもひとつある 藤本 晉 湖暮れて母の忌日の月見草 本郷 公子 ほととぎす村がまるごと消えてゆく 前田 勉 風の字を二つに分けて夏のれん 松島 圭伍 守るものなし炎天の大鳥居 的場 秀恭 不器用な返事金魚の泡ひとつ 村田あを衣 蝸牛つひに一線越えにけり 森 一心 良き風に音色正せり江戸風鈴 山崎よしひろ 遠景も近景も揺れ町炎暑 吉田 成子 青鬼灯体内電池充電中 吉村紀代子 堂と老いて甚平似合ふ顔 和田 燁子 (以 上) |