関西現代俳句協会第3回定例句会開催
平成28年7月30日(土)午後1時より大阪船場のホテル、ヴィアーレ大阪に於いて、
参加者全員の2句のみ掲載します(50音別) ただ前へ進むことのみ炎天下 有馬 映子 神杉の声漏らしたり夏の月 石井 和子 ひらがなの様な涼風流れけり 上田千恵子 遠蝉や珈琲カップ卓に置く 上野乃武彌 何事か呪文唱えて海女潜く 上藤おさむ 騒音の中に無我生む油照 江島 照美 ラムネ飲む思案一つを転がして 大西 陽子 木を石を雨の洗ひし星まつり 岡野多江子 火照りたるまま上りくる夏の月 小川 桂子 光速のセミの本をたたみかけ 葛城 裸時 一列の鱏の鰓穴八月来 川ア 奈美 靴底の百物語火の匂い 木野 俊子 茄子の馬母の小言を乗せて来し 熊川 暁子 積み上げしものは崩れる雲の峰 桑田 和子 研ぎ汁に米粒混じる敗戦忌 志村 宣子 百日紅派兵の車通る道 翠 雲母 太陽に近くて涼し山頂は 高橋 将夫 水青きところに佇ちて鮎釣師 谷下 一玄 いかな日も平穏はあり蓮の花 田宮 尚樹 六文銭のマンホールです炎暑です 樽谷 寛子 形代の佳き名の橋をくぐりけり 千原 恭子 空蝉の重さを腕に感じをる 中西 厚子 裏庭に金魚の墓をつくりけり 中俣 博 かき氷水の薀蓄ながながと 中溝 玲子 祇園会や日にも月にもなる扇 西川 吉弘 騙し絵のような空澄み七月尽 西田 唯士 梅雨ごもり書斎はわれの宝島 野村 朴人 土用の日うまい鯰と誘われ 橋本 昭一 夕焼や母がゐたなら手をつなぐ 橋本 道代 借景の山もととのふ夜の秋 樋本 和恵 三尺寝地下足袋の裏見せながら 平井芙美子 船渡御白布の波に滑りだし 福嶋 雄山 屋台店肩から入る夏のれん 藤本 晉 熱帯夜ともかく枕うら返へす 星川 淳代 かなぶんや児らは絵本を丸暗記 本郷 公子 敗戦忌軍手の呼び名他になきや 松島 圭伍 帰省子の先ず深々と眠りけり 的場 秀恭 ももすももクレヨンの声灯る家 三好つや子 針山に針の埋もれし敗戦忌 村田あを衣 胃カメラが見付ける命送り梅雨 森口 和子 眼よりサングラスまで此岸 柳川 晋 水打てば石も声あぐ昼下り 山浦 純 欠伸して涙の先の夕焼け雲 山崎よしひろ 一本の朝蜘蛛の糸断ちにけり 養学登志子 鳴きに来し蝉が勲章父の墓 吉田 成子 吐ひて吸ふ駅の口まで灼熱す 吉村紀代子 棒飴の溶ける八月十五日 和田 Y子 (以 上) |