関西現代俳句協会

第27回句集祭・参加作品(2002年度忘年会にて)

2002年12月7日天王寺都ホテルにて、関西現代俳句協会主催による「忘年会&句集祭」が行なわれました。句集祭に参加された作品は以下のとおりです。

  • 句集 … 24冊
  • 評論・その他 … 7冊

句集

往く秋や稿寝る夜半の風の音 磯野 香澄・句集「のりうつる」より
どこまでも手を垂れ雨乞仏の憂さ 伊丹 公子 ・ 句集「イコン絵師」より
聖堂に伝言を貼る聖母月 伊丹 三樹彦 ・ 写俳集「メコン沃地」より
間引く木のリボンひらひら梅雨に入る 上溝 元子 ・ 句集「紙人形」より
 
弔父母のたゆとう舟や雪全景
上仲 孝 ・ 句集「日々惰眠」より
大声もあげず次次蓮枯れ 魚川 圭子 ・ 句集「有時」より
抱きしめて犬の関節知りつくす 江里 昭彦 ・ 句集「クローン羊のしずかな瞳」より
茶髪行く十二月八日の嬰抱いて 加藤 貞子 ・ 句集「天人菊」より
雪消して京都岡崎雀いろ(郷田 雁皮)
寒鰈皓き国より来て透ける(郷田 豊子)
編集・高木 智 ・ 夫婦句集「雁皮」より
曇り日の桜しずかにしておりぬ 立岩 利夫 ・ 句集「闊歩」より
雪の朝おおスザンナが転んでる 寺田 良治 ・ 句集「ぷらんくとん」より
さまざまの桜仰いで夫の忌 田山 嘉容 ・ 句集「さまざま桜」より
吾亦紅少し離れて暮れてゐる 豊田 都峰 ・ 句集「木の唄」より
明易の雲がはなるる寝釈迦山 豊長 みのる ・ 句集「阿蘇大吟」より
惑星に太古の配置春隣 中田 美子 ・ 句集「惑星」より
今生の端見えてゐる冬の虹 西野 文代 ・ 句集「それはもう」
近づく雪国 座席で躍るハートのA 花谷 和子 ・ 句集「ももさくら」より
開戦日閉ざして固き二枚貝 匹田 荘平 ・ 句集「寸猫」より
二つ三つ草鉄砲の日暮来る 福田 基 ・ 句集「幻視の郷」より
蝉生れてよりしろたえの闇となる 船曳 青峰 ・ 句集「藻屑火」より
波の花動いて白し日本海 三木 星童 ・ 句集「日本海」より
百磴を登れば花の如来かな 水島 稔 ・ 句集「百磴」より
大阪の秋の日ざしの大頭 南村 健治 ・ 句集「大頭」より
大根の日々好日に立ち上がる 山本 泰永 ・ 句集「童歌」より
母はいま春蘭ごはん欲しいという 若森 京子 ・ 句集「韓藍」より

評論・その他

「自解100句 伊丹公子集」 伊丹 公子
「伊丹三樹彦自筆百句選」 伊丹 三樹彦
評論「芭蕉作風踏襲京都俳句理論と活動」 磯野 香澄
「短文第二集女三界裸の漫歩」 磯野 香澄
エッセイ「わたしの歳事ノート」 宇多 喜代子
「自解150句選集」 梶山 千鶴子
「自選100句選・豊田都峰集」 豊田 都峰