関西現代俳句協会

2025年6月のエッセイ

何のための草刈り?

岡田耕治

 関西現代俳句協会の岡田耕治です。
 2025年4月26日の総会で承認され、会長を務めることになりました。
 どうぞよろしくお願いします。

 総会の初めに、私の方から関西現代俳句協会の会則の第1条を次のように始めることを提案させてもらい、承認を得ました。

 「この会は関西現代俳句協会と呼称し、会員の交流を通して、各人の俳句活動の充実を目的とする」という部分です。

 この提案について、次のようなエピソードをお話ししました。

 私が校長を務めていたとき、保護者に草刈りをお願いしたところ、
「いやよ。だって暑いから」
という答えが返ってきた苦い経験があります。

 なので、安心して学べる学校づくりを通して一人ひとりが輝くという目的の実現には、是非運動会を成功させたいと思っています。

 ついては、子どもや教職員とともに草刈りをお願いしますとお伝えすべきでした。

 このような経験があるので、是非、関西現代俳句協会の会則にも目的を明記し、その実現のために会員のみなさんのご参加や、これから会員になる方々への呼びかけを行いたい、そんな思いでこの提案をさせていただきました。

 総会の懇親会の席で、私のこの提案が話題になり、公立の小中学校ではそういう反応が返ってくるかも知れないけれど、私学だときっと協力してくれるのではないかと言われました。

 その時、少し説明不足だったと反省したのです。

 というのも、その保護者の方々は、とても学校運営に協力的で、もちろん草刈りも手伝ってくれました。

 それだけ、学校が保護者の皆さんと打ち解けた対話ができる雰囲気があったので、開口一番「いやよ」という答えが返ってきたのです。

 そんな返事がなければ、保護者は学校がお願いしたら何でもやってくれると思い続けていたにちがいありません。

 そのことに気付かせてくれた保護者に感謝するとともに、このことが切っ掛けとなって、めざす子ども像を共有することの大切さを学びました。

(2025年5月18日発行の「関西現代俳句協会メールマガジン【001号】」の文章を再掲しました)

(以上)

◆「何のための草刈り?」:岡田耕治(おかだ・こうじ)◆

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