2020年10月のエッセイ窯神山田 和
私は、国宝展で火焔を形取った縄文時代の土器を見たことがあった。縄文時代、我々の祖先は、どの様な生活をしていたのだろうか? この土器は狩猟の秋まつりに使われていたのだろうか? とイメージがふくらむ。 縄文の火焔土器とや秋祀り 和 ある年の秋、備前焼の陶芸家と縁を得て、親しく話を聞くチャンスに恵まれ陶芸の教えを得ることが出来た。 月白や高々と積む松割木 和 備前の陶土は約2億年前の海底だった土とのことで、 粘る土に己が温もり秋澄める 和 陶師は作り溜めていた壺、大皿、碗などの土の作品を登り窯へびっしりと詰めてゆく。私の作品も窯の一隅へ置かせてもらった。 窯神へ火入れの新酒供えけり 和 いよいよ窯への火入れとなる。14日間ほど窯の火を絶やしてはならない。昼夜、側で火を守り続けるのだ。 窯の炎と語る陶工星月夜 和 土を裸のまま釉薬を掛けず長時間(約14日間)松薪を使って焼きしめた後、窯が冷えるのを待って窯開きである。 その時の私の作陶は、窯変の花器として次のように命名した。 罅割れや窯神の黙秋深む 和 (以上) ◆「窯神」:山田 和(やまだ・かづ)◆ |
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