関西現代俳句協会

先人が残した遺産の継承
- 2005年1月のエッセイ

関西現代俳句協会会長 山本 千之

明けまして、おめでとうございます。

昨年2004年は、私たち関西現代俳句協会の会員にとりまして、たいへんな年でした。戦後俳句の旗手とでもいうべき、鈴木六林男、桂信子の二人の先輩をはじめとして、昭和俳句の広がりを支えられた和知喜八、八村廣、田仲了司などの方々が相次いでこの世に別れを告げられました。

次々に襲う颱風や地震の災害、性懲りもなく引き起こされる戦争、そして政治の腐敗、どれも神々の試練などと無関心でいられない事態が、私たちの思考を平静ではおられない状況にまで追い込んでいます。

それにしても、先人たちの残された遺産をどのように継承していくのか、今のところ明確な答えは何処にもないように思われます。2006年の秋には現代俳句協会の全国大会が関西で催されます。戦後の俳句が関西から発信されたように、これからも関西を地盤とした俳句の発展を目標に努力してまいります。