関西現代俳句協会

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2月16日
会員の著作に、宇多喜代子さんの『この世佳し―桂信子の百句』を掲載しました。
2月1日
青年部のページを更新しました。
2月1日
今月のエッセイに、平田繭子さんの「わたしの俳句観」を掲載しました。

2018年2月のエッセイ

わたしの俳句観

平田繭子

 俳句は素晴らしい!
 たった十七音で、絵も描けるし写真も撮れる!花も生けられる!
 詠いたい対象の切り方で芸術作品が生まれるのだ!

 今年私は数えで古希を迎えた。
 俳句を始めたのは29歳。私の人生の半分以上も俳句に携わってきたことになる。
 子どもの頃から何事にも興味を持ち、色々なことにチャレンジをしてきた。 例えば、英会話、絵画、陶芸、写真は自分で現像焼き増しもしてきたし洋裁、編み物、もちろん茶花道も楽しくやって来た。

 ではどうして俳句に係わったのかと言うと、私の祖父や母も俳句をしており、祖父は昭和の始め家で句会をし、句誌の編集もしていたと言う。
 学生の頃、母から俳句を勧められたが、英語にかぶれていた私は聞く耳を持たなかった。
 が、結婚をして同居をしていた主人の母が豊長みのる先生を講師に招き、家で句会をしておられ、姑から俳句を勧められると素直に作句をしてみようと思った。

 以後、自身のこころを投影出来る俳句の虜となり、西に東に吟行に出掛け俳句を作った。
 その究極は「鳥取砂丘」と言える。
 師から「砂丘には砂の粒ほどの対象がある」と教えられた時、私は「俳句はこころだ!」と実感した。 
 何も無い砂丘に詩心を奪われ、炎天の日も雪の日も時間を作ってはバスに乗り、一人鳥取へ向かった。
 雨の中でも三時間は砂丘に坐し作句に勤しんだ。

 

    砂に寝てとほき潮騒浜晩夏      繭子
    穢れなき夜更けの砂丘星流る      〃
    露の旭やいま大砂丘動くかに      〃
    大砂塵冬の砂丘は人入れず       〃
    春しぐれ砂丘馬の背潮臭し       〃

 そして、「俳句はこころ」と気付いた私は今、留まることなく未来へと動き続ける大宇宙に魅せられている。

 

    天をめぐる神話の星座闇涼し     繭子
    天に銀河地に大川の流れをり      〃
    寒昴虚空冷たき闇を張り        〃
    北斗の柄折れて春潮溢れたり      〃

 たった十七音で宇宙をも詠える俳句の魅力!

 俳句は素晴らしい!
 自然と出遭え、人とも出会える俳句。
 私は人生において出会える人たちは宝だと感じている。私には沢山の宝がある。良き師、良き友…。
 自身を豊かにしてくれる俳句に出合えた喜びに今私は打ち震えている。

(以上)

◆「わたしの俳句観」:平田繭子(ひらた・まゆこ)◆

 

■今月のエッセイ・バックナンバー

◆2018年

タイトル 作 者
1月 炉話のこと 宇多喜代子

◆2017年

タイトル 作 者
12月 私が『鳥取の俳人 尾﨑坡酔』を出したわけ 小山貴子
11月 俳句と私 桑田和子
10月 句集のすすめ 外山安龍
9月 松茸 西原和孝
8月 大いなる未完の人 藤川游子
7月 近頃、俳句に思うこと 米岡隆文
6月 悪筆三銃士 藤本 晉
5月 「丹波百谷」俳句の今昔 大谷茂樹
4月 おいしいアニミズム 三好つや子
3月 小海線のおにぎり 大城戸ハルミ
2月 はじめて通る道 谷川すみれ
1月 旅をする蝶 吉田 成子

◆2016年

タイトル 作 者
12月 命綱の結び方 花谷  清
11月 初学のこと 丸山 景子
10月 チョコを食べるのをやめてしまった 久留島 元
9月 灸花 志村 宣子
8月 野風呂岬を訪ねて 鈴鹿 呂仁
7月 弘前城の曳屋工事と甥の結婚式 綿貫 伸子
6月 技能・芸能の霊性と歴史性 熊川 暁子
5月 芭蕉終焉の地 森  一心
4月 近江富士 村井 隆行
3月 イチローと多作多捨 木村オサム
2月 田圃のことなど 久保 純夫
1月 手間暇ということ 宇多喜代子

◆2015年

タイトル 作 者
12月 堺大仙公園の日本庭園平成曲水の宴 谷下 一玄
11月 難病と闘いながら 政野すず子
10月 島の眺め 田宮 尚樹
9月 神戸北野坂界隈とジャズ 西川 吉弘
8月 豊かな時間 西谷 剛周
7月 戦後70年に思うこと
―飾らず、逞しく生きたい―
藤井冨美子
6月 住み心地のよい雑居ビル 辻本 冷湖
5月 生存証明 出口 善子
4月 集中治療室 小泉八重子
3月 それそれ神 辻本 孝子
2月 十年日記 森田 智子
1月 十二月のスーパーマーケットで 宇多喜代子

2014年

2013年

2012年

2011年

2010年

2009年

2008年

2007年

2006年

2005年